お知らせ・つらつらノート

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2017/06/03
【つらつらノート】 形あるもの

形あるものは、すべてが変わってゆく。
人も変わり、事情も変わり、言った言葉も変わる。
この世はウソばかり、と嘆くなかれ。
この世界はウソばかりという訳でもなく、形ある事象が刻々と変化している世界であるのだから。

 

この世界は、本質が形となって現れている。見えないもの(本質)が、見えるもの(形) を作り、動かしている。
宇宙に充満するダークエネルギーとダークマターから重力が発生し、重力が星々を作り、銀河を作っている。
太陽の引力が地球を動かし、気圧の変化が風になり、草木を揺らし動かしている。
太陽と月の引力が、重力と共に地球上の潮の干満を動かし、世界中の海の波を作っている。
想いが、人を動かしている。
活動を起こしている根源(本質)は、形でないところ、眼に映らないところにある。

 

根源的なもの、変わることのない本質は、この世界に確かに存在しているが、見ることも、触ることも、言葉にすることもできないもの。
変化する流れの中にある中心のような、瞬間瞬間の一点にあるようなもの。
一瞬見えたように思っても、すぐに見えなくなって何処かへ行ってしまう。
だから、本質的なホントウのことは、世の中にはよく見えず、本質的ではないものがホントウであるかのように、世の中では当たり前になっていたりする。
本当の真実は、時に疎んじられたり、敬遠されたりもする。
「 そんなことを言って何になりますか ? 」 と、冷遇され、泥をかぶっていることがある。

 

形あるものが変わってゆくように、言葉によって語ることができるものは、いつの間にか変わってゆく。
だから、たった今、眼の前に起きていることの一つ一つは、ホントウのことであるかも知れないのだが、言葉にすると仮のものに変わり、触ると違うものになり、理解しようにも理解できないものになる。
もしもホントウの事を言葉にできるとしたら、それはあまり良く理解できない言葉になる。
「死」 や 「生」 という言葉は、その代表格で、考えれば考えるほどに、解らないものになってゆく。それから、「心」 なんていうのもそうだし、「愛」 という言葉や、「幸福」 もそうかも知れない。
いつも普遍的に存在していて、確かにあるように思えるものなのだが、雲のようにつかむことができない。( それらの言葉の真意というのは、形を取り払ってしまえば同じ意味に通じるものなのだろう。)

 

形あるものは、すべてが崩壊する。ゆえに、すべてが変わってゆく。
形を変え、気がつくといつの間にか消えて無くなっていたりする。
まるで本質に還ったかのように、何処かへ消えてしまう。
そして不思議なことに、無くなってから、その形にあった意味が解ってくることがある。

 


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